1月21日(土)

完走!

走行距離300キロ

ホテル隣のマクドナルドでハンバーガーを買う。
ホテルの部屋で一人。これで終わる旅の事を考えながらの朝食。
7時に出発。簡単に幹線道路に出られた。あとは夕べ立てた計画通りにシドニーを目指す。
キャンベラの朝は15℃と気温が下がっている。昼間は暑い程だった。
少し暑い感じのする空気の中、バイクを走らせる。エンジン音は快調だ。
日本の高速道路の様な道ではあるけれど、側道では自転車道が確保されており、
何台ものレース用自転車がヘルメット·ウエアを決めて走行を楽しんでいる。
自転車が社会に受け入れられているのだと感じる。
100キロ程走って一般道へ入る。バイク200選道路も走りながら、シドニーへ向かう。
たかが400キロの道のりだ。真っ直ぐ走れば簡単に着いてしまう。
途中の町のカフェでカプチーノを飲みながらゆっくり走る。
今の私にはオーストラリアはオーストラリア人のもの、という感覚はない。
オーストラリア大陸は現在·未来も人類全てのものであり、
いや青い星、地球に生をうけた全ての生き物のものだ。
今はオージー達がこの大陸を管理しているだけだと思う。
その思いからすると、これだけの大陸·大自然·多様な生物·素晴らしい景色や風景があるという事は、全人類の大きな財産だ。
この自然を破壊·汚染して欲しくないと思う。
現実はそうではないのだが、これだけの大自然の中で育つ人間と、
狭くごちゃごちゃした肩と肩が擦れ合う様な環境で育った人間とは、
全く違った何か特別なスケールの大きな人間を作り出すと想像するからである。
永遠にこのオーストラリアを大切に守って欲しいと願う。それが私の今の願いだ。

今日で私のバイクの旅は終わる。
わずか1ヶ月で走り抜けてしまった。
長い様で短い時間だった。この旅で得たものは、改めて知る体力の衰え·頭の中を飛ぶように通り過ぎる記憶·
63年掛って築いた病気に対する免疫力·63歳にしてまた1つ知り得た大自然と大陸。
12時頃シドニー近くにさしかかる。近くと言ってもまだ70キロ位はある。
雷雨が降り出した。いずれにしても濡れる、ずぶ濡れ覚悟でバイクを進める。
いつも思うが、カウリングは本当にいいものだ。カウリングがなければ、この雨の中は走れない。
モータウェイ7号に入る。全神経を尖らせて道を選んだ結果、またキャンベラ方向に走っている事が分かる。
5キロ程走って、またシドニー中心に向かって走る。
これだけの地図と鈍い方向感覚で、自分の進むべき道を選び出せというのが無理な話なのか、
63歳になった所以であるのかは分からないが、ほとほと道に困った。
最後は近くを歩く人に地図を見せて『ヘルプ·ヘルプ』を連発する。
そしてジェシカに電話を入れる。たやすく助けに来てくれる。
そしてとうとう出発点のケビンの家に到着した。
ケビンの父親が出迎えてくれた。無事に帰還出来た事を喜んでくれた。
明日は台湾の正月だから家に来る様に、と誘ってくれた。旅の途中で受ける人情ほど、
温かく心に染みるものはないと思う。
あわやカンガルーと衝突と言った様な危険な目にもあったこの旅。
人並み以上に神のおぼしめしを感じた。
ありがとうございました。もう1度、オーストラリアを走りたい。
今度はケアンズからパースまでの大陸斜め横断1万キロは有るかな?
オフロードがこの大陸には似あうと思う。
体さえ元気なら又戻って来てしまいそう!な予感がする。

2013年 7月 29日 更新 | オーストラリア大陸2万キロのバイク1人旅

 


 

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