1月18日(水)

タスマニア島一度に車を300台近く運ぶフェリー< 走行距離334キロ

AM7:30、出発。昨夜の雨音も今はなく、青空も少しのぞくツーリング日和だ。
町を抜け牧場の中を進む。道端でのどかに牧草を食む母牛、
バイクの音に怪訝そうに大きな円らな瞳で私を見つめる子牛。
緑濃き山々は白いモヤがあちこちと木々を包む。
峠越しにかかる森の中のワインディングロード。
気温は15~17℃と少し寒い。果たして今日はハイランドレイクに辿り着けるのか。
そしてフェリーの時間に間に合うか?と不安が募る、
バイクを左右に倒しながらコーナーを抜ける。
時折安心する気持ちに警笛を鳴らすかの様に対向車が現れる。
ストレート道路とは違って、車速は40~80キロで心地良い朝の空気の中を進む。
AM8:30頃にラウセストンの町に着いた。交通量が急に増える。
国道1号線を探さなければならないし、事故にならない様に気を配る。
やっと1号線を見つける。1号線を西に行けば良い。
しかし私の頭の中は方向感覚が完全に麻痺していた。とにかく走る。
逆方向に進んでいる事に気付かせてくれたのは、スタンドのお兄さんだった。
しかし『この道へ行けばハイクランドレイクに近いよ』と全くの農道を行く様に勧められる。
フェリーの時間もあるし、ショートカットで進む事にする。
農道と言っても良く整備されているので、速度は80~120キロ位出している。
すると目前に、標高にして500~600メートルはあると思われる
岸壁の様な山脈が現れた。まさかこれを登れと言うのか?
標識を頼りに進んで行けば、確実にその山脈を登り越える様に道は伸びる。
イロハ坂を進むにつれて、気温は10~15℃に下がり、常に風が強いのか、
木々は地を這うように育っている。富士山の5合目の様な景色。
岩山は荒々しく、心におのずとプレッシャーをかける。
やっと登り切った時、天気は快晴だった。申し分ない天候になった。
空気は澄み、ここに地図にある様な大きな湖があるのだろうか?
バイクを停めて5~10分休んでから行きたい思いはあるが、心に余裕はない。
対向車は20分に1台位現れた。淋しさも募る。すると、とうとう道は舗装が切れ、
舗装路から未舗装道に変わった。スリップしやすい。さらに気を引き締める。
暫く行くと、前に美しく巨大な湖が姿を現した。
しばしバイクを停め、その美しさに見とれる。
日差しはきつく、こんなに美しい所へ家族を置いて私だけ来るなんて、
何だか申し訳ない気持ちもした。
孫が『じぃちゃんとオーストラリアに行きたい』と言っていた事が思い出される。
機会があればきっと連れて来てやる!と心に刻む。高山を下る下り坂。
バイクを走らせるにしたがって木々は高さを増し、森林の中をぬう様にバイクを進める。
気が付くとダベンポートのフェリー乗り場に着いていた。時間は正午。
やっと食事らしい食事をとる。出発までの時間をどの様にして潰そうか考える。
たまたま空いていた洗車場でバイクを洗う。時間をかけて念入りに。
洗車場のオヤジが『お前はハッピーか?』と聞く。『ベリーハッピー!』と答えると
『お前の様に洗車好きなら雇ってやってもいい』と冗談を言う。
それでもまだ2時間も時間が余っているので、洗車に来る車の洗車のお手伝いをしてやった。
日本人はお前達と違って、これくらい丁寧に洗うのだという思いを見せつける為、
より丁寧に洗ってやった。5時になったのでフェリー乗り場に行って乗船を待った。
今夜のフェリーにはバイクは7台乗る事になった。ライダーたちは自然にそれぞれ
どこに行った、何キロ走った、どこで何があったと話が弾んだ。
皆、私の話に驚いていた。63歳のジジィが2万キロにも及ぶバイクの旅をしている事
クリスマスに出発してほぼオーストラリアを一周している事、貴方はテストドライバーか?
など、話は尽きなかった。夜はキャビンでぐっすり寝てしまった。

2013年 6月 25日 更新 | オーストラリア大陸2万キロのバイク1人旅

 


 

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